旬の食材
一般に食用として流通しているのはマガキとイワガキです。
そして、日本各地で養殖されているのはほとんどがマガキです。カキは岩などに固着したまま成長するため、その固着した場所によって、カキ自身の形が決まります。その為、カキの形は、種類によるのではなくて、生育環境によるところが大きいのです。
天然のマガキは、北海道から九州、日本全域の沿岸部の岩礁、防波堤に生育し、朝鮮半島、中国大陸沿岸部にも分布しています。
養殖マガキの主な産地は、広島県、宮城県、岡山県、兵庫県、岩手県で、韓国からも輸入されています。
カキは実に古くから食されてきましたが、大阪市では有名な森の宮貝塚から、食べた後のカキの貝殻がたくさん出土しています。森の宮遺跡で貝塚が形成されはじめたのは、縄文時代後期の比較的早い段階です。縄文時代の人々が森の宮遺跡の東に広がる河内湾の干潟でマガキを採り、食料としていた跡が、大量のマガキの貝殻で形成された層にありありと見ることが出来ます。
カキが特においしくなるのは、グリコーゲンたっぷりとなる12月から2月頃です。
カキは、タンパク質、脂質、糖質をバランスよく含み、カルシウム、亜鉛、リン、鉄、銅などのミネラル、ビタミン類をたっぷり含んでいます。グリコーゲンとは炭水化物の一種で、疲労回復に効果があり、肝臓の働きを助けてくれます。
表示に「生食用」「加熱用」とありますが、「生食用」の鮮度の落ちたものを「加熱用」にしている訳ではありません。「生食用」とは、指定された海域で採れ、海からあげてから、一定時間紫外線殺菌した海水で浄化したものを言います。「加熱用」とは、海からあげてすぐに出荷したものです。ですから、全く鮮度の問題ではないのです。「加熱用」の方が、旨味成分も多く残っており、加熱目的で購入するのなら、是非「加熱用」をお求めください。
カキの調理方法ですが、冷たく冷やした日本酒や白ワインとともに、生でツルンと頂くのも醍醐味ですが、殻ごと焼いたり、フライ、酢の物、和え物、鍋物、お好み焼き等いろいろお楽しみ下さい。
旬の食材レシピでは、坊ちゃんかぼちゃを丸ごと使い、カキとほうれん草のグラタンを紹介しています。凝った上等料理のように見えますが、意外と簡単に出来ます。寒い冬の一品に是非トライしてみてください。
栄養機能が高い「抗肥満作用・血糖改善・血中脂質改善などの効果が期待される食品」として新たに注目されている食品、それが、カズノコなのです。
それはなぜか?EPA・DHAが健康維持に有効な必須脂肪酸であることは、よく知られていることですが、カズノコの総脂質に占めるこれらの比率は、イワシやサンマのような青魚より高く、中性脂肪は1割にも満たないので、上記のように健康に寄与する食品と言われるようになった訳です。
また、コレステロールを気にする人にはタブー食品のように考えられてきましたが、そのコレステロールも鶏卵の約6割、イクラ等主要魚卵中最も低く、その上、そのコレステロールを消し去るほどEPAが含まれていて、プリン体にいたっては、日本痛風・核酸代謝学会が「プリン体がきわめて少ない食品」に分類しているほどです。
意外や意外、今までのイメージを一新した感があります。
このように優れた食材を、お正月だけではなく、通年召し上がって頂けるように業界からもレシピの色々が発信されています。
「瓢亭」の高橋英一氏他、譚彦彬氏、三國清三氏、小早川陽青氏らお馴染みの有名料理人が作ったレシピもご参考になさって下さい。アッとびっくりするようなカズノコ料理、再確認したい基本の料理などをご紹介しています。
https://www.kazunoko.org/jp/recipe/index.html
他にも、ポテトサラダに混ぜ込んでプチプチ感を楽んだり、味付けカズノコをてんぷらにしたり、おせちに飽きて、残ってしまったカズノコも一味違うおかずになります。
漁獲量・入荷量とも一番多い、庶民的な魚と言えます。
マサバとゴマサバがありますが、普通にサバと言えばマサバのことで、日本各地で獲れます。
マサバとゴマサバの違いは、背中の模様で見分けられます。マサバは”く”の字の模様が単純ではっきりと出ていて、ゴマサバは、”く”の字が薄く、腹のほうに小さな黒い斑点があります。
又、マサバは「ヒラサバ」、ゴマサバは「マルサバ」と呼ばれるように、身の断面を見ると、ゴマサバの方が丸いのです。マサバは寒流を、ゴマサバは暖流を好み、そのため、マサバの方が脂がのっています。
鮮度劣化が早いので、1匹丸ごとで買う場合は、目が真っ黒で、エラブタが固くしまっていて、中のエラが鮮やかな赤色をしているもの、切身の場合は、身に透明感があり、血合が鮮やかな赤色をしているものを選んでください。
調理方法は、刺身・きずし・煮付・塩焼き・味噌煮等おなじみですが、今月の特集レシピでは、皮を引いてから少し炙って、イタリア料理にしています。サバの料理としては、目先が変わっていて、そして、とても美味しいです。是非お召し上がりください。
北海道沿岸以南の日本全域と東シナ海、黄海に分布していますが、庶民の味方は養殖のものです。養殖技術の発達により、海面養殖以外に、陸上養殖も行われています。
関西ではスーパーでも売っていて、家庭で「てっちり」を楽しむことが出来ます。誠に美味なる鍋です。
フグ料理に合わせるお酒と言えば、ヒレ酒です。カラカラに乾燥させたものが売っていますので、それを軽くあぶり、コップに放り込み熱燗を注ぎいれ、蓋をして少し置けば出来上がりです。お酒は、かなり熱く温めたいものですが、加熱の際、火が入らないようご注意下さい。
家庭でヒレを乾燥させる場合は、まずヌルヌルを充分洗い流してから、平らなところに貼り付けておいて下さい。
トラフグは、鍋だけはなく、テッサ、唐揚げ、握り寿司等、どのように調理しても、上品で旨みたっぷりです。
見た目は、気味の悪い姿ですが、古事記に登場するほど昔から食べられてきました。ちょっと悲しいお話ですが、アメノウズメノミコト(例の天岩戸の前で踊ったことで有名な女神)が海の魚達に「御膳(ミケ・・食べ物)として仕えるか」と問いただしたとところ、ナマコだけが黙っていたので、「この口は答えぬ口か!」とナマコの口を切り裂いてしまったと書かれています。古くは「海鼠」と書き、「こ」と読んでいました。「こ」の生のものという意味で、「生海鼠(なまこ)」となったようです。
種類は200種におよびますが、食用にするのは、マナマコとキンコです。マナマコのうち、関西では、アカナマコが好まれ、コリコリとした食感です。アオナマコは肉質が柔らかく、関東で好まれています。クロナマコとキンキは、干しナマコとして加工されます。食感の違いは生息地の違いで、外洋で育てば身が固く、内湾のものは柔らかいのです。
90%以上が水分で、食する量も機会も少なく、含まれる栄養に期待するより、嗜好性の強い食品と言えます。
温かい季節は夏眠し、水温が下がってから漁が始まりますので、秋から冬にかけて店頭に並びます。
家庭での調理は、ほとんど生食でしょう。流水でよく洗い、両端を切り取り、全体を縦に切って、端から小口切りのように薄切りします。
ぽん酢・二杯酢・三杯酢等で和え、もみじおろし・ネギなどお好みのトッピングをあしらっては如何でしょうか。
究極のスローフード、棒ダラをご紹介します。
棒ダラを炊いて食べるのは大阪や京都など近畿地方が中心です。真ダラをひたすら乾燥させて作りますが、前年の12月頃から干し始めます。
作っているのは、現在、礼文島に1社、稚内に数社あるのみですが、当地は、空っ風が吹き、乾燥に適しているのです。
1年かけて乾燥した棒ダラは調理の前に、まず水に戻す必要があります。戻すと元の大体2.3倍の大きさになります。
水に戻すとき、コトコト炊くとき、独特の匂いが立ち込め、黒豆の匂いや出汁の匂いと混じり、いよいよお正月を迎えるのだな、と実感する時です。
12月になれば、スーパーやデパ地下で、カチコチでクネクネ乾燥したままの形で1尾又は片身で売っています。お正月前になってくると、水に戻したものをカットし、はかり売りしています。
おせち以外には、京料理の「芋棒」のように、エビイモや、エビイモ以外でサトイモなどといっしょに煮ても、又、鍋料理にも美味しいです。是非お試しください。
おせちの棒ダラの作り方の一例をご紹介します。(船泊漁業協同組合提供)
★もどし方
・水煮につけやすい大きさに割る。
・たっぷりの水につけ、真水で5~7日浸す。その間、毎日水は取り替える。
★炊き方
・もどした棒ダラをきれいに水洗いする。皮や膜も丁寧にむき、よごれも洗い落とす。
・一口大に切る。
・多めの水から煮て、5分ほど沸騰させた後、火を消す。
・お湯がさめたら新しい水に替えて5~8時間置く。
・タラの2倍量のだしで3~4時間煮る。
・砂糖を入れて、さらに30分煮る。
・醤油・みりん・酒を加え、一煮立ちしたらすぐに止める。
・さめるまでおいて煮含めます。
放っておく時間が長くいので、食べる日から逆算して取りかかって下さい。
日本ばかりでなく欧米での人気も高い白身魚です。主に北緯34度以北の北太平洋に、日本では、茨城県以北太平洋岸、山口県以北の日本海に分布しています。水深10m~550mの大陸棚斜面に生息しています。雪が降る頃になるとよく捕獲され、味もまた一段と美味しくなる為、魚編に雪で、鱈と書くのでしょう。
白子は、最高の副産物。さっと茹でて、ポン酢で、または、軽く小麦粉をはたいてバターでじっくり加熱。ホイル焼き等、いずれも、ふわふわの食感と濃厚な味が特徴です。反して、身は、淡白で、低カロリー。
特集レシピでは、キノコと一緒に蒸して、とろーりあったかい、あんかけにしています。寒い冬の一品にお勧めです。
ちなみにタラコや明太子は、マダラではなく、スケトウダラ(スケソウダラ)の卵です。
春から初夏にかけて産卵し、夏から秋には小ヤリイカが流通し、これはこれで、なかなか高価なものです。12月頃から、3月末まで、いわゆる「ヤリイカ」として漁獲・出荷され、そして春から初夏にかけて産卵、その後、1年の寿命を全うするのです。
冬場に一番美味しくなる「冬イカ」と呼ばれるイカの仲間の代表選手です。
雄は胴体部分40センチを超えるものもあり、雌は大きくなっても30センチ前後です。
「子持ちイカ」が手に入れば、大きいものであれば、真子は別に煮含め、胴は刺身に。小ぶりなものは、卵を持った身のまま煮ます。いずれも誠に美味。
同じように「冬イカ」である、コウイカも美味しいですが、コウイカの「モチモチとした食感の甘さ」に対し、ヤリイカはあくまで「上品な甘さ」が身上です。
煮ても硬くならないのも大きな特徴です。
今年の冬至は12月22日です。冬至には、柚子湯につかり、冬至南瓜を食べて、風邪の予防としてきました。緑黄色野菜である南瓜は、カロテンやビタミンCなどはもちろん、タンパク質や脂肪にも富み、栄養たっぷりの果菜です。昔の人は、寒い冬を乗り越えるためにも、かぼちゃを食していたのでしょう。
夏から秋にかけて収穫しますが、数ヶ月貯蔵するとデンプンが糖分に分解されて美味しくなるので、 秋から冬にかけての方が旬であると言えます。
一般的に店頭に並んでいるのは、ほとんどが、西洋南瓜です。西洋南瓜は粉質で、甘みも強く、現在では南京のシェアの9割を超えています。
今ではすっかり西洋南瓜に席捲されてしまった南京市場ですが、ここ大阪や、又、京都では、日本南瓜の需要もあります。それは、関西のだし文化と関係があるようで、だしと醤油等で味付けするには、あっさり、しっとり、粘質で上品な味わいの日本南瓜が向いているのです。だから、冬至には、家庭や特に料理屋では日本南瓜をおいしく煮るのです。
日本南瓜にもいくつかの品種があり、その中のひとつが黒皮南瓜です。その名の通り濃い皮の色と身の色の対比が鮮やかで、盛りつけた時に美しく、あっさりした食味は、だしで炊くには抜群の相性です。
冬至に向けて、店頭に並びますので、少々手間ですが、今年は一度、日本南瓜を味わってみて下さい。
水を張った田で栽培され、私たちが食べているのは、塊茎と言われる部分です。
お正月のおせち料理には欠かせない食材ですが、最近は、家庭で作るよりも、出来上がりを求める家庭が多く、そのため、業務用の需要が高くなっています。
割烹等和食のお店でも、季節の演出にも使われています。
まさしく季節限定野菜で、11月末から、年を越えて一部旧正月用と、限られた期間だけ出荷されます。
埼玉県・広島県が主な産地で、中国からも輸入されています。
売り出しは、関西の方が早く、関東がその後、関西の方が小さめが好まれ、関東の方が大きめが売れるようです。ちなみに、なにわ伝統野菜のひとつに吹田クワイがありますが、小粒なのが特徴です。
皮をむいて、さっと茹で、あく抜きの後、含め煮などに挑戦してみてください。または、少し水にさらしたあと、唐揚するのもおいしいです。スライスし、チップスにするのも手軽な調理方法です。
「目(芽)が出る」おめでたい縁起ものですから、芽の部分は是非大事に取り扱って下さい。
昨今のヘルシー志向で、低カロリー、豊富な食物繊維が注目され見直されてきました。現在流通しているのは、通常の種類として、土付きの長いゴボウと、土を落とした短いタイプの2種類です。土付きの長ゴボウは、12月を最盛期に3月頃まで入荷します。短いタイプは、長ゴボウより早く出回り、長期間流通しています。
長いタイプは関東を中心に青森・北海道、短いタイプは九州を中心に西日本で作られています。
近年、土付きの長ゴボウよりも、短いタイプが好まれるようになってきました。それは、家族の人数が少なくなってきたため、食べきれる量である事、また、以前のゴボウとは全く違った食材としてとらえ、サラダ等に向いているのが理由のようです。短いタイプは収穫してから出荷するまでが、スピーディで、その分、ゴボウのよいかおりを、より楽しむことが出来るのも特徴です。
ここ本場は、ゴボウの取扱いが日本一で、関西人のゴボウ好きがうかがえます。
料理方法として、煮しめ、きんぴらごぼう、筑前煮、柳川鍋、おでん、ベーコン巻、ぼたん鍋、すき焼き、八幡巻、てんぷら、サラダ等ですが、たたきゴボウは関西特有の料理のようです。変わったところで、ゴボウ入りピラフやクッキーなど、利用範囲が広まっています。
保存方法として、土付きのものはそのまま新聞紙等で包み、暗くて涼しいところに立てて(土中にある状態)保存するのが理想です。
短いタイプは、一度水洗いしていますので、土付きのものより、保存期間が短いです。冷蔵庫の野菜室で保存して下さい。
れんこんは、はじめ観賞用として仏教とともに伝来しました。
その後再三にわたり中国から導入され、現在の在来種の元となりました。
東京では茨木県、大阪では徳島県からの入荷が圧倒的な量を誇っています。
最盛期は11月~3月ですが、最盛期を過ぎても、5月頃まで入荷があります。
近年はハウス、トンネル栽培で促成物が出回るようになり、周年化の傾向にありますが、お正月の需要が高まる今頃がまさしく旬と言えます。
水田からレンコン畑に変わった例も多くあります。レンコン栽培には水の調節が大切で、元々水の装置がある水田がレンコン栽培に向いていたわけです。レンコン栽培には、一年中水を絶やすことが出来ません。
3月頃に種レンコンを植え付けると、ライナーで次々と伸びていき、先から、3・4個が太くなりそれを収穫するのです。収穫の際には、一旦水を引き、機械で少し泥を剥いでいき、芽が見え始めると、それを目当てにレンコン用のクワで収穫するのです。泥との戦い、相当の重労働です。
夏には一面に葉が覆い、美しい花が咲きます。これはこれで,お盆用に出荷される生産者さんもおられます。
レンコンの美味しさは、その食感にあるでしょう。輪切りにすると、煮付け・てんぷらともしゃきしゃき感が味わえます。反対に、すりおろして加熱すると、蓮根餅の名のとおりもっちりして、これはこれでなかなかおいしいものです。お好みの出汁であんかけにしてみては如何でしょうか。
まさに、旬ですので、ご家庭でも、いろいろお試しください。
寒い冬を迎えますが、クリスマス・お正月・バレンタインデー・桃の節句と、イチゴの出番が多くなる季節です。ハウス栽培なので品質のバラつきが少ないのがこの季節の特徴です。
イチゴは果物の中でも、収穫量の割には、加工品が少ない品種と言えます。ジャムはとても美味しいですが、しかし、瓶詰イチゴジュースというのもあまり聞きませんし、缶詰は見た事がありません。イチゴ大福にしたり、ケーキを飾ったり、撹拌してスムージーにしたり、等々、あくまで生で食べるイメージが強いです。生のままで、豊富なビタミンCを壊さず、味の追加をしなくても、誠に美味しいこと、そして、愛らしい色・形と甘い香りが何よりも多くの人を引き付けているからでしょう。
最近の品種改良はめざましいものがあります。消費者の多様な嗜好に応えるべく生産者はたゆまぬ努力を重ね、多くの品種を生み出しますが、その中で消費者・生産者の支持を得て生き残る品種はわずかです。勝ち残った品種は国内のみならず海外でも高い評価を得ているものあります。それでも尚、より美味しく、経済性にも優れる品種が、今後も続々と生れてくることでしょう。
イチゴと言えばビタミンCですが、厚生労働省では成人一日当たり100mgを必要摂取量としています。また、文部科学省の食品成分データベースでは、イチゴ100gで62mgとしていますので、中粒のイチゴ3~4個で食事1回分のビタミンCが摂取出来てしまいます。水分補給・ビタミンC補給に冬にこそ食べたい果物と言えます。
14世紀ころから長野県旧市田村で栽培されている柿の品種ですが、現在は、その品種名を地域ブランドとして干し柿の商標となっています。この地域で生産され、国の基準及び地域で作成された衛生マニュアルに基づき管理が行われている物のみが「市田柿」と名乗ることが出来るのです。
天候や柿の状態とにらめっこしながら、1ケ月ほどかけて乾燥させ、その後仕上げの「揉み」の作業を行い出荷となります。全部で21以上の工程があり、手間をかけることで、もっちりふっくらした食感に仕上がるのです。
干し柿の表面の白い粉は一体何でしょうか。これは、柿の糖分が結晶したものです。
試しに、粉だけをなめてみて下さい。「とても上品な砂糖」の味です。決して食べられないものではなく、干し柿の甘味の一部なのです。
食物繊維とポリフェノールが豊富でコレステロールはゼロという魅力を持ち合わせており、また、ワインや乳製品と相性が良いので、新しい味も是非お試しください。
・市田柿&チーズの春巻き、
・写真のようにチーズと一緒に、
・市田柿とチーズを一緒にチーズがトロっとするまでオーブンで温める
など、一味違った一皿に
また、
・ヨーグルトのトッピング
・湯せんで溶かしたホワイトチョコを、小さく切った市田柿にからめる
など、カンタン手作りお菓子の出来上がりです。
真冬にすいか?
熊本県・長崎県・高知県等から冬季でもすいかの入荷があります。特に高知県では加温ハウスで、手間をかけた栽培をおこなっています。
路地栽培では、つるは地面を横に這って広がり、畝のうえに実がなりますが、これを人為的に縦に伸ばし、実は、上から別に吊るすか、下から支えるかして、育てます。
つるを縦に這わせることにより、樹勢が弱まりますが、代わりに甘くて、繊維質がやわらかい実になります。つる仕立てで、一つの苗にひとつの実というのは、温室メロンと同様の育て方で、味のばらつきがなく、スイカ特有のしゃりしゃり感も楽しめます。
ハウスは、少々の台風にも耐えられるような頑丈な作りで、徹底的に「冬においしいすいか」を出荷出来るよう研究・努力を積み重ねています。
出荷時は写真のようにつるを長く残しています。店頭に並んだ時点で食べごろになっていますので、このつるが新鮮な内がおいしさの目安です。
暖房のきいた部屋で、水分補給も兼ねた甘みたっぷりのすいかをお楽しみください。
冬の代表的な果物は、りんごとみかん。さらに、みかんと言えば圧倒的に、温州ミカン。あとは、伊予柑・八朔と言った具合でしたが、最近は、早生のハウス栽培から露地栽培の温州ミカンと続き、そのあとからはさまざまな中晩柑が出番を待っています。
そのトップバッターとも言えるのがデコポンです。甘みが強く、香りがさわやか。ごつごつした外見からは思いもよらない柔らかな小袋。果汁が多すぎると言う事がなく、一袋づつ食べやすい。
7年前はまだまだ贈答用の上等果物でしたが、木が成長したこと、栽培地が増えたことなどにより、お手軽にお召し上がれるようになりました。11月~12月、まず、ハウス栽培のものから出始めます。
デコポンは「清見」と「ポンカン(中野3号)」を交配して、長崎県で生まれました。
「清見」の甘さと「ポンカン」の剥きやすい皮がひとつになり、今や、生産量が毎年増えている、人気の柑橘になりました。
3月をピークに今月から本格的に入荷量が増えてきます。
「小加温」という、従来の加温ハウス栽培より低めの温度設定で、よりおいしく育てる方法も進んでいます。収穫してから冷暗所に保存され、酸味を抜いて出荷されます。
すべての果物が、「新鮮なほどおいしい」というものではなく、少なくとも、このデコポンは、少し時間を置いた方が甘さも増して美味しくなります。
流通期間が長いので、たくさん召し上がってください。
柚子(ユズ)冬至・お正月を控え11月~1月が最盛期となります。
冬至には「柚子湯」を楽しみますが、柚子湯には、血行促進、体を温めて風邪の予防、果皮の中のクエン酸やビタミンCによる美肌効果などが期待されます。1個2個ではなく、沢山入れて香りを楽しみたいのもです。丸のままよりも、半分に切って使う方がより効果的ですが、お湯を濁らせないよう袋をご用意ください。
ここ本場へは、高知県・徳島県・愛媛県などから、入荷してきますが、この3県のものが、肌がきれいで、上質のものが多いようです。
今年は、夏の異常高温のため、他のかんきつ類同様、玉が小さめで、皮肌は少し荒れ気味です。料理方法として、搾り汁以外に、皮を薄くそぎ、汁の浮実に、また、すりおろして炊き合わせや焼き魚・漬物等のトッピングにすると、ちょっと目先が変わって、季節感も楽しめます。中をくりぬいて、器にして、和え物などを盛付けるや柚子釜や、ジャム作りにも挑戦してみて下さい。
りんごには色々な品種がありますが、圧倒的に流通しているのが「ふじ」です。そして、生産量が一番多いのは青森県です。
最近、「葉とらずりんご」というものを、お目にされた方もあるでしょうが、それは、次のようなりんごです。
通常、生産者は、色づきをよくするため、お日様がよく当るよう、実のまわりの葉を摘みます。その際、極力、葉を残すようにすると、葉が作りだす栄養が増え、本来の美味しさが楽しめるりんごができます。見た目は、まだらになったりしますが、美しさよりも、本当のおいしさを求めたもの、それが、「葉とらずりんご」なのです。
りんごは「医者いらず」と言われるように、さまざまな効能が認められています。
まず、水溶性食物繊維ペクチンですが、胃酸のバランスを整え、整腸効果もあります。
次にポリフェノールですが、リンゴに含まれるポリフェノールはカテキンとケルセチンがあり、がん・動脈硬化・高血圧等の予防に効果が期待されます。農林水産省と厚生労働省が共同で検討を進めてきた「食事バランスガイド」では、果物の一日の摂取量は、おおよそ200g程度を目安としています。例えばみかん1個とりんご半分で、OKです。
りんごの食べ方は、生でそのままいただく食べる以外に、すりおろし、焼きりんご等があります。デザートととらえるだけでなく、おかずの食材として、サラダに加えたり、スライスしてチーズをはさんで酒の肴に、すりおろしてドレッシングに加えたりと、アイデアを凝らして、リンゴを楽しんでください。
最後に保存方法ですが、ビニール袋等に入れて、冷蔵庫・冷暗所にて保存して下さい。リンゴは、成長ホルモンであるエチレンを発するため、他の果物や野菜と一緒に保存すると、その果物や野菜の追熟を促しますので、単体で袋に入れることをお勧めします。