玉神輿の倉出し
7月中旬の猛暑の中に集った、下は20代前半から上は70代という幅広い年齢層の担ぎ手50人は、男らしい声がけで玉神輿の倉出しを行います。
その後、1年もの間、倉の中でかぶったホコリを丹念に落とし、輝きを取り戻した玉神輿はとても美しく、通りかかった通行人からは「奇麗やな〜」と言う歓声があがります。
汗を滴らせながらも、楽しそうに玉神輿を磨く担ぎ手の皆さんの表情を見ているだけで、彼らがどれだけ天神祭を楽しみにしているのかが伝わってきます。
お祭り当日は、天満宮の境内が担ぎ手だけでいっぱいになるそうです。
玉神輿は、倉出し後に大阪天満宮境内でご覧頂く事が出来ます。
境内に置かれた神輿は向かって左が玉神輿。右が鳳神輿となります。
お近くにお越しの際は、是非、立ち寄ってみて下さい。
<蔵出しの様子を動画で見る>
出発式
7月25日。大阪市中央卸売市場本場の業務管理棟で出発式が行われ、市場関係者をはじめとする大勢の人が集ります。
午後17時頃。大阪天満宮から、陸渡御がスタートし、陸渡御の最後尾である玉神輿が動き出すと、観衆から歓声があがり、天満宮本殿に向かい玉神輿を差し上げると、ひと際大きな歓声と拍手が境内におこります。
総重量2トンを超える豪華絢爛な神輿は「ヨイヨイヨイ!」という輿丁(担ぎ手)達の威勢のいい掛け声の中、天満宮の南門を出て街中を練り歩きます。
およそ2時間の陸渡御の後、祭はクライマックスの船渡御、奉納花火へ。
船渡御を終えて、再び天満宮へと向かう渡御のなか、なによりも印象的なのが、輿丁たちの本気で祭を楽しんでいる笑顔です。
沿道に詰めかけられた観衆からも「ヨイヨイヨイ」という声があがり、まさに、玉神輿を通して街中が一体になっているような感覚を感じる事ができます。
十八人会の人々は、この日も無事に陸渡御が円滑に進む様に、沿道に詰めかけた人々に注意を促しながら、見事に神輿を誘導していきます。
玉神輿は、人と人を強く結びつけて、街の人々から愛される天神祭のシンボルのような役割を果たしています。
また、世代を超えた輿丁間の交流を活発に行う為の重要な役割を担っていて、こうして神輿は次の世代へと受け継がれていくものだと思います。
後日、神輿の倉入りが行われ今年も重要な役割を果たした玉神輿は、来年の出番まで天満宮内でひっそりとその出番を待ちます。
皆さんも是非、天神祭へお越しいただいた際は、玉神輿に注目してみて下さい。
<大阪天満宮内の出発の様子>